ハンドパンの叩き方・音の出し方|初心者の最初の7日間メニュー
目次
ハンドパン(handpan/楽器)の音は、指の腹で軽く叩き、すぐに離すことで鳴ります。中央のDing(ディン)はドームの頂点付近、まわりのトーンフィールドはくぼみの縁を狙うのが基本です。この記事では、姿勢と叩き方を確認したうえで、1日10〜20分で取り組める「最初の7日間メニュー」を紹介します。
ハンドパンの「いい音」とは?
ハンドパンのいい音とは、指が金属に触れる時間を短くして、楽器全体が自由に振動したときに出る、伸びのある澄んだ音のことです。
指を金属の上に残すと振動が止まり、「ペチッ」「ボコッ」と詰まった音になります。奏者・講師のMark D’Ambrosio氏(『Hal Leonard Handpan Method』共著者)は、初心者のよくある失敗として「指をほんの一瞬長く鋼に残してしまうこと」を挙げています。
ハンドパンはどんな姿勢で弾けばいいですか?
背すじを伸ばし、肩の力を抜いて座るのが基本です。楽器の置き方には「膝の上」と「スタンド」の2通りがあります。
| 置き方 | 説明(出典) | 向いている人 |
|---|---|---|
| 膝の上 | 低めの椅子に座り、太ももに楽器を載せて胸の方へ軽く傾ける。いちばん低い音を胸に近い側に置く奏者がほとんど(Instruments du Monde) | 自宅で気軽に始めたい人 |
| スタンド | 椅子に座るか立って演奏。立つ場合は足を肩幅に開く。楽器を体の方へ傾けると無理な角度になるため、体から離れる方向へ5度ほど傾ける(D’Ambrosio氏) | 長時間弾く人、体への負担を減らしたい人 |
傾ける向きは教える人によって違います。どちらの場合も「長く続けても痛くならない姿勢を選ぶ」ことは共通しています。また、スタンドなどで底の穴(Gu)をふさぐと響きが失われる、と注意する販売店もあります(Pures Music)。
ハンドパンはどうやって叩けばいいですか?
指先や爪ではなく、指の腹でごく短く触れて、すぐに離します。力は腕ではなく、手首のスナップから生まれます。
| ポイント | 内容(出典) |
|---|---|
| 使う場所 | 指の腹を、少し角度をつけて当てる(D’Ambrosio氏) |
| 離し方 | 触れたらすぐ離す。「熱い鉄板に触れたように」指を跳ね返らせる(MAG Instruments) |
| 力の出どころ | 手首を素早くはじく動き。指を鋼に残さない(Instruments du Monde) |
| 指の分担 | 手前の2音は親指、ほかの音は主に人差し指と中指で叩くことが多い(Instruments du Monde) |
| 強さ | 強さより打ち方の質。体に力が入ると音にも力みが出る(D’Ambrosio氏) |
マレット(ばち)は使わないようにしましょう。D’Ambrosio氏は、柔らかいマレットでも簡単に音程が狂うおそれがあると注意しています。
Dingとトーンフィールドはどこを叩けばいいですか?
Dingはドームのいちばん上か、そこから少しずれた位置。トーンフィールドは、くぼみ(ディンプル)の中央ではなく縁を狙います。
| 部位 | 狙う場所 | 出典 |
|---|---|---|
| Ding(中央のふくらみ) | ドームの頂点、またはわずかに中心から外れた位置 | D’Ambrosio氏 |
| トーンフィールド | くぼみの縁。トーンフィールドとくぼみの境目に、指の第一関節から先で軽く触れる | D’Ambrosio氏/Instruments du Monde |
多くのハンドパンでは、トーンフィールドが低い音から高い音へ、Dingをはさんで左右交互のジグザグに並んでいます。Cosmos Handpanは、ふつうは最も低い音が体にいちばん近く、次の音はDingの向こう側かやや横にある、と説明しています。左右の手で交互に叩くと音階になるのはこのためです。
DingやGuの仕組みはハンドパンとはで詳しく解説しています。
最初の7日間は何を練習すればいいですか?
1日10〜20分を目安に、「1音をきれいに鳴らす」ことから始めて、少しずつ音の数とリズムを増やします。Instruments du Mondeも、たまに長時間弾くより、10分ほどの短い練習を毎日続けることを勧めています。
以下は、上の出典の考え方をもとに編集部で組んだメニューです。
| 日 | テーマ | やること(10〜20分) |
|---|---|---|
| 1日目 | 姿勢とDing | 姿勢を決め、Dingだけを片手ずつ叩く。指を残したときの詰まった音と、すぐ離したときの伸びる音を聞き比べる |
| 2日目 | 1音ずつ | すべてのトーンフィールドを1つずつ、低い音から順に叩く。くぼみの縁に当たっているか、音の伸びで確かめる |
| 3日目 | 左右交互の音階 | 左右の手を交互に使い、低い音から高い音へ上がり、また下りる。ゆっくり、音の粒をそろえる |
| 4日目 | 一定のリズム | メトロノームをゆっくりのテンポに設定し、Dingを拍の頭で叩き続ける。慣れたら間にトーンフィールドを1音入れる |
| 5日目 | Ding+2音のパターン | 「Ding → 左の音 → 右の音」のような短い繰り返しを決め、2分間止まらずに続ける |
| 6日目 | 目を閉じて | 3日目の音階を目を閉じて弾く。位置を体で覚える練習(Instruments du Mondeも推奨) |
| 7日目 | 録音して聞く | 5日目のパターンと自由な即興をスマホで録音し、音が詰まっていないか、リズムが走っていないかを聞き返す |
曲に早く進みたくなりますが、MAG Instrumentsは、最初からスケールや曲に飛びつく誘惑に負けないように、と書いています。1つの技術を自信をもってできるまで練習するのが近道です。
8日目以降は、数字譜で簡単なフレーズを読む練習に進むと上達が速くなります。読み方はハンドパンの楽譜・数字譜の読み方を参考にしてください。
初心者がやりがちな失敗は何ですか?
いちばん多いのは「強く叩きすぎる」ことと「指を残す」ことです。
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 指を鋼に残す | 振動が止まり音が詰まる | 触れたらすぐ離す |
| 強く叩きすぎる | 指が痛む。音もきれいに伸びない | 指が痛むなら叩きすぎのサイン(D’Ambrosio氏)。力を抜いて軽く |
| 楽器を体の方へ傾けすぎる | 腕が窮屈な角度になる | スタンドの角度や座る高さを調整する |
| マレットを使う | 音程が狂うおそれ | 手だけで演奏する |
| 休まず長時間続ける | 手や腕に負担がかかる | 20〜30分ごとに休憩してストレッチ(The Sound Artist) |
指の痛みや、楽譜が読めないといった不安については、ハンドパンは難しい?よくある不安10個でまとめて答えています。
よくある質問
ハンドパンは指先で叩くのですか?手のひらですか?
メロディを弾く基本は、指の腹です。手のひらは、Dingを手のひらで叩いて低くこもった音を出す「パームミュート(P)」などの奏法で使います(Instruments du Monde)。
1日何分くらい練習すればいいですか?
最初は10〜20分で十分です。短くても毎日続けるほうが、たまに長時間弾くより効果的だとする講師・販売店があります(Instruments du Monde、MAG Instruments など)。
音が「カン」と金属っぽくなります。なぜですか?
まず、叩く位置と強さを見直しましょう。D’Ambrosio氏が勧めるように、くぼみの縁を指の腹で軽く叩き、すぐ離せているかを確認してください。
楽器を持っていなくても練習できますか?
姿勢や手首の動きは机の上でも確認できますが、音の伸びを聞き分ける練習には実物が必要です。ココカラハンドパンでは、自社所有機のレンタルも用意しています。
出典・参考リンク
- How to Play the Handpan: Getting a Good Sound on Day One(Mark D'Ambrosio/Planet Handpan)(2026-10-22取得)
- How to Play the Handpan(Instruments du Monde)(2026-10-22取得)
- How to play the handpan – (some of) the basics in one blog post(MAG Instruments)(2026-10-22取得)
- Avoiding Finger Pain and Injuries from Playing Handpans(The Sound Artist)(2026-10-22取得)
- Understanding Your Handpan Notes Chart 2026(Cosmos Handpan)(2026-10-22取得)
- How to Read Sheet Music and Tablature for Handpan?(Instruments du Monde)(2026-10-22取得)
- How to Start Learning the Handpan by Yourself(Pures Music)(2026-10-22取得)